優れた送信フェーズノイズ特性 従来のヘテロダイン方式ではLOとキャリアをミキサーで混合して送信波を生成する時、ノイズや歪みが発生しますが、本機はDUC (Digital Up Conversion)方式により、DAC (Digital Analog Converter)から直接出力して送信波を生成していますので、右図のように優れた送信フェーズノイズ特性を実現し、非常にピュアリティの高い送信波の発射が可能です。
I/Q outputを搭載 IF信号をデジタル出力するI/Q output端子を装備しています。IC-7610で受信した信号をI/Q信号としてパソコンに出力し、HDSDR(フリーウェア)を使用して受信音を聞いたり、スペクトラムスコープを表示したりできます。また、CW Skimmer(有償ソフトウェア)、CTESTWIN(フリーウェア)などのソフトウェアと併用することによって、広帯域で受信したモールス信号をデコードすることができます。バンド内の運用局をひと目で把握できるほか、スプリット運用時には、効果的なコールバックができるなど、コンテストやDXハンティングに威力を発揮します。別売りの リモートエンコーダーRC-28をPCに接続すると、ダイヤル操作でスムーズな周波数変更が可能です。 ※IC-7610本体のファームアップ(Version 1.20以降)と、IC-7610 USB I/Q package for HDSDRが必要です。 ※詳細は、取扱説明書をご覧ください。
運用の自由度を高めるリモート運用 別売りのRS-BA1 Version 2 をインストールしたパソコンで、IC-7610をリモート運用することができます。LAN/インターネットに接続し、シャックと離れたリビングから運用したり、見通しのよい高台のシャックに設置したIC-7610を自宅から運用するようなスタイルも実現できます※。また、IC-7610には、サーバー機能を搭載しているため、シンプルに設定・接続が可能です。またRS-BA1 Version 2は、デュアルワッチR、デュアルスコープにも対応しています。 ※電波法上の手続きが必要。
RFダイレクト・サンプリング方式は、RF信号を直接デジタル信号に変換して、FPGA (Field Programmable Gate Array)にて信号処理を行っています。そのため、アナログ信号の処理過程においてミキサーで起こるような非線形歪みの発生がありません。さらに本機ではIC-7300で初めて採用したRFダイレクト・サンプリングをベースにデバイスを厳選し、プログラムの最適化を図っています。
RMDRは驚愕の110dB※(代表値)を実現
RMDR(Reciprocal Mixing Dynamic Range)とは近接する強信号からのブロッキングの影響で受信感度がどの程度悪化するかを示す指標です。IC-7610ではRFダイレクト・サンプリング方式の採用により、驚愕のRMDR 110dBを実現しています。これは最高峰モデルIC-7851のRMDR 116dBに迫る値です。コンテストや混み合ったバンドでの運用時に超近接受信の環境下からでも、目的信号を浮かび上がらせることができます。
※2kHz離調時
カスタムオーダーのマスタークロック発振器
優れたRMDRを実現するためにはピュアリティの高いクロックが必須になります。IC-7610のマスタークロックは、特に優れたフェーズノイズ特性を追求し、カスタムオーダーしたVCXO(Voltage Controlled X’tal Oscillator)を使用しています。また、フラグシップ機であるIC-7851の設計で培ったノウハウを継承した回路設計を行い、クロックを生成する電源回路にもローノイズ特性のデバイスを厳選して採用しています。
独立した受信部。 異なるバンド/モードで真のデュアルワッチ
受信部はMAIN/SUBで独立した同一の受信回路を2つ搭載しています。一方の受信部が他方の受信部に対して影響することがないため完全に同一性能で異なるバンド/モードでの2波同時受信を実現しています。もちろんスペクトラムスコープもデュアルで動作しますので、刻々と変化するバンドコンディションもMAIN/SUBバンド共に瞬時に把握することができます。
優れた送信フェーズノイズ特性
従来のヘテロダイン方式ではLOとキャリアをミキサーで混合して送信波を生成する時、ノイズや歪みが発生しますが、本機はDUC (Digital Up Conversion)方式により、DAC (Digital Analog Converter)から直接出力して送信波を生成していますので、右図のように優れた送信フェーズノイズ特性を実現し、非常にピュアリティの高い送信波の発射が可能です。
DIGI-SELをMAIN/SUBに搭載
MAIN/SUBの受信部にDIGI-SEL回路を搭載しています。DIGI-SELは通過帯域内で鋭いピークの特性を持った高周波フィルターです。帯域外減衰量が大きいバンドパスフィルターとDIGI-SELを組み合わせることにより、ADCのオーバーフローを防止するほか、第3次歪み成分を除去します。特にハムバンド上下に隣接する中波、短波放送局からの強力な送信電波のフィルタリングに大きな効果を発揮します。
スムーズなマルチバンド運用をサポートするオートアンテナチューナー内蔵
本体にアンテナチューナーを内蔵。一度チューニングをとると、次回からはその周波数を選択するだけで自動的に整合情報を呼び出すので、バンドチェンジやマルチバンド運用もスムーズです。また、非常時など同調のとれるアンテナがない場合でも、送信が可能となる非常通信チューナーモード※を搭載しています。
※送信出力など制限あり。
新設計、IC-7610専用のスピーカーハウジングを搭載
ピュアリティの優れた受信信号を忠実に再現するために、カスタムメイドの密封型スピーカーハウジングを採用。低音から高音までメリハリのある音質を実現しています。また、スピーカーを直接シャーシに取付けるのではなく、インシュレーター(防振材)を介してマウントし、シャーシの共振音を排除しています。長時間のラグチューやコンテストでも快適に運用することができます。
理想的な視認性と操作性を追求したタッチ操作対応大型LCD
IC-7610にはタッチ操作対応の7インチ(800×480ピクセル)ワイドタイプのカラー液晶ディスプレイを搭載。ディスプレイ上に、MAIN/SUBの運用周波数をはじめ各機能の設定/動作状況、さらにスペクトラムスコープ、Sメーター、RTTY/PSK31・63のデコードメッセージまで運用に必要な情報を集中表示します。
高度な運用を可能にするデュアルスペクトラムスコープ
FPGAとCPUソフトウェアの協調処理により、圧倒的なスイープスピードと分解能、100dBの広いダイナミックレンジを実現しています。また、同時に異なる2つのバンドを監視できるため、コンディションの把握やコンテスト時に絶大な威力を発揮します。デュアルスコープは、状況やニーズに合わせて上下または左右に並べて表示することが可能。1MHzを超える広帯域をシームレスに視認できるSCROLLモードも装備しています。また、ウォーターフォール表示により、周波数スペクトラムの振幅を時系列で確認でき、スペクトラムスコープだけでは判別しづらい微弱な信号も視認できるので、微弱なDX局の信号を見逃すことなく、交信の可能性を高めます。
オーディオスコープ機能を搭載
送受信音のFFTスコープ、オシロスコープの表示が可能。相手局の送信波の変調特性や自局のマイクコンプレッサー効果確認、受信音のスペクトラム表示によるフィルター幅やノッチの特性を視覚的に確認できます。さらに、オシロスコープではCWのキーイング波形を視認することもできます。なお、受信時はMAIN/SUBの切り替えも瞬時に行えます。
直感的な操作で、スムーズな運用を実現
別売のRC-28をUSB接続することにより、IC-7610のSUBバンドのチューニングを手元で便利に操作することができます。本体設定によりMAIN/SUBの切り替えをF-1、F-2ボタンに割当て、MAIN/SUB両方のメインダイヤルとして動作可能。デュアルワッチはもちろん、スプリット運用中のDXペディション局へもすばやい対応が可能です。
タッチ操作と組み合わせて、さまざまな設定を簡単にできるマルチダイヤルを装備。ダイヤルを押すと、ダイヤルの横にメニューが表示されます。そのメニューをタッチして項目を選択し、ダイヤルを回してレベルを調整します。RFパワーやマイクゲイン、DIGI-SEL、ノッチなど、各種機能へのアクセスが格段にスピーディに行なえます。
快適な運用をアシストするリモートエンコーダー<RC-28/オプション>
拡張性に優れた外部出力端子
外部ディスプレイへは信号劣化しないデジタル方式(DVI-D端子)での出力が可能です。外部ディスプレイを利用することでより大きな画面で運用ができます。そのほかメーター電圧出力端子をリアパネルに設けていますので、外部のアナログメーターを接続することもできます。
音声録音・設定変更に便利なSDカードスロット
データ保存のためのインターフェースとして、SDカードスロットを装備しています。送信音を含む交信内容の録音はもちろん、RTTY/PSKデコードのログ、ディスプレイのキャプチャー画像などをSDカードに保存できます。また、ボイス送信用の音声や、CW/RTTY/PSK31・63用メッセージメモリーも保存可能。さらに、無線機の設定も保存できるので、オペレーターが代わってもSDカードを差し替えるだけで、各自がすぐに好みのセッティングで運用可能です。また、USBメモリーでもファームアップや設定保存ができます。
I/Q outputを搭載
IF信号をデジタル出力するI/Q output端子を装備しています。IC-7610で受信した信号をI/Q信号としてパソコンに出力し、HDSDR(フリーウェア)を使用して受信音を聞いたり、スペクトラムスコープを表示したりできます。また、CW Skimmer(有償ソフトウェア)、CTESTWIN(フリーウェア)などのソフトウェアと併用することによって、広帯域で受信したモールス信号をデコードすることができます。バンド内の運用局をひと目で把握できるほか、スプリット運用時には、効果的なコールバックができるなど、コンテストやDXハンティングに威力を発揮します。別売りの リモートエンコーダーRC-28をPCに接続すると、ダイヤル操作でスムーズな周波数変更が可能です。
※IC-7610本体のファームアップ(Version 1.20以降)と、IC-7610 USB I/Q package for HDSDRが必要です。
※詳細は、取扱説明書をご覧ください。
運用の自由度を高めるリモート運用
別売りのRS-BA1 Version 2 をインストールしたパソコンで、IC-7610をリモート運用することができます。LAN/インターネットに接続し、シャックと離れたリビングから運用したり、見通しのよい高台のシャックに設置したIC-7610を自宅から運用するようなスタイルも実現できます※。また、IC-7610には、サーバー機能を搭載しているため、シンプルに設定・接続が可能です。またRS-BA1 Version 2は、デュアルワッチR、デュアルスコープにも対応しています。
※電波法上の手続きが必要。
その他の機能
アンテナ系
受信専用アンテナや外部BPFなどを接続できるBNCタイプのRX IN/OUT端子
CW系
FPGAによるCWキーイング波形整形
多機能エレクトロニックキーヤー
300~900Hz CW受信ピッチ連続可変機能
オートリピート機能
シリアルコンテストナンバー自動カウントアップ機能
コンテストナンバー省略符号化機能
ダブルキージャック
フルブレークイン
CWオートチューニング
Position、Width、AF Levelを調整できるAPF機能
受信系
30kHz~60MHzゼネラルカバレッジ受信機能
(アマチュアバンド外の一部周波数帯は受信性能保証外)
相互変調特性を重視したプリアンプ1と増幅ゲイン重視のプリアンプ2
アッテネーター(3dB~45dBまで3dBステップで可変)
IP+機能
トラッキング機能
RTTY用ツインピークオーディオフィルター
RTTY/PSKデモジュレーター&デコーダー
各モードでFast/Mid/Slowの設定ができるAGC時定数(FMは固定)
送信系
TXモニター
オールモードパワーコントロール
VOX
非常通信連絡設定周波数(4630kHz)対応
BNCタイプのトランスバーターコネクターを装備
121種類のマイクイコライザーを装備
送信帯域設定機能
50波のトーンエンコーダー標準装備
操作系
5chまたは10chのメモパッド
クイックスプリット機能
クイックデュアルワッチ機能
RF GAIN&スケルチを1つのツマミでコントロール
±9.999kHzまで可変可能なRITとΔTX
2つのクロック表示(JSTとUTCほか)とタイマー機能を搭載
1Hzピッチチューニングと1Hz表示
ダイヤルロック機能・パネルロック機能
4段階のメインダイヤルトルク可変
2系統の外部スピーカージャック
スクリーンセーバー機能
マルチファンクションメーター
(Sメーター、パワー、ALC、COMP、SWR、ID、VD、TEMP)を同時に確認
チューニングスピードを自動的に可変するオートTS機能
AH-4コントロール回路
■おもな付属品
DC電源ケーブル
ハンドマイクロホン(HM-219) ほか
一般仕様
周波数範囲 受信周波数
30kHz~60MHz
500kHz~29.999MHz
50.000MHz~54.000MHz
送信周波数
1.800MHz~1.875MHz
1.9075MHz~1.9125MHz
3.500MHz~3.580MHz
3.599MHz~3.612MHz
3.662MHz~3.687MHz
3.702MHz~3.716MHz
3.745MHz~3.770MHz
3.791MHz~3.805MHz
7.000MHz ~ 7.200MHz
10.100MHz ~ 10.150MHz
14.000MHz ~ 14.350MHz
18.068MHz ~ 18.168MHz
21.000MHz ~ 21.450MHz
24.890MHz ~ 24.990MHz
28.000MHz ~ 29.700MHz
50.000MHz ~ 54.000MHz
4630kHz
モード :SSB/CW/RTTY/PSK31・63/AM/FM
メモリーチャンネル数 :101(メモリー99ch+スキャンエッジ2ch)
アンテナインピーダンス :50Ω (不平衡)
アンテナ端子 :HF/50MHz帯用M型2系統、受信用BNC型1系統
電源電圧 :DC13.8V±15%
接地方式 :マイナス接地
消費電流 :待受時3.0A、受信最大出力時3.5A、送信最大23A
使用温度範囲 :0℃~+50℃
周波数安定度 :±0.5ppm以内 (0℃~+50℃)
周波数分解能 :1Hz
外形寸法(突起物を除く) :340(W)×118(H)×277(D)mm
重量 :約8.5kg
送信部
送信出力 :SSB/CW/FM/RTTY/PSK:1~50W
AM:1~12.5W
変調方式 SSB:数値演算型平衡変調
FM:数値演算型リアクタンス変調
AM:数値演算型低電力変調
スプリアス発射強度
-50dB以下(HF帯)
-63dB以下(50MHz帯)
-40dB以下(HF帯)
-60dB以下(50MHz帯)
搬送波抑圧比 50dB以上
不要側波帯抑圧比 50dB以上
マイクロホン
インピーダンス 600
Ω受信部
受信方式 :ダイレクト・サンプリング スーパーヘテロダイン方式
中間周波数 :12kHz
受信感度 (TYP)
SSB/CW (10dB S/N)
1.8MHz~29.999MHz :-16dBμ (プリアンプ1 ON)
50MHz :-18dBμ (プリアンプ2 ON)
AM (10dB S/N)
0.5MHz~1.7999MHz :+16dBμ (プリアンプ1 ON)
1.8MHz~29.999MHz :+6dBμ (プリアンプ1 ON)
50MHz :0dBμ (プリアンプ2 ON)
FM (12dB SINAD)
28MHz~29.7MHz :-6dBμ (プリアンプ1 ON)
50MHz :-10dBμ (プリアンプ2 ON)
スケルチ感度
(プリアンプ ON) :
-10dBμ 以下
+10dBμ 以下
選択度 (SHARP時) :
SSB (BW=2.4kHz)
2.4kHz以上/-6dB
3.6kHz以下/-60dB
CW (BW=500Hz)
500Hz以上/-6dB
700Hz以下/-60dB
RTTY (BW=500Hz)
500Hz以上/-6dB
700Hz以下/-60dB
AM (BW=6kHz)
6kHz以上/-6dB
15kHz以下/-60dB
FM (BW=15kHz)
12kHz以上/-6dB
20kHz以下/-60dB
スプリアス妨害比 :SSB/CW/AM/FM 70dB以上(ADC折り返し成分を除く)
オーディオ出力 :2.0W以上 (8Ω/10%歪率時)
オーディオインピーダンス :8
ΩRIT可変範囲 :±9.999kHz
※定格はJAIA(日本アマチュア無線機器工業会)測定法によります。
※定格・仕様・外観等は改良のため予告なく変更する場合があります。